……情報?
どういう意味だろう。
丁寧な口調でありながらも、どこか人を小馬鹿にしているような冷たい響きが鼻についた。
「とりあえず……動ける状態で帰ってきたら、まあ良しとしよう。新しい情報を得ることができていれば、合格かなぁ」
中島くんに説明しているのか、それともひとりごとなのか。
話についていけないあたしは、スマホを握りしめたまま黙って耳を傾ける。
「今回考えられる最悪のケースは?」
中島くんが座席から身を乗り出すと、慶一郎さんは片手でハンドルを切りながら、なぜか楽しそうに笑い声をあげた。
「俺が持たせた情報を、七瀬が台無しにして帰ってくること」



