「この人が三崎慶一郎さん。本多の……」
「七瀬の"保護者"だと思ってもらえればいいかな」
中島くんの言葉を遮りにこりと笑ったその人は───見た目から予想して、20代後半から30代前半といったところ。
お父さん、にしては若すぎるように思う。親戚のお兄さんとか、そういう感じなのかな。
その人はエンジンを切り、中から降りて名刺を差し出してきた。
「いつも七瀬がお世話になっています」
受け取った名刺を見る。そこには
“ 灰田商会 代表取締役 三崎 慶一郎 ”
という文字が並んでいた。
「七瀬とは、事情があって一緒に住んでいるんだよ」



