連絡先の一覧から急いで本多くんの名前を探す。

発信ボタンをタップする指先が震えて、じわりと変な汗が滲んだ。


1コール……2コール……。

何度呼び出しても出る気配はない。
中島くんにそっと視線を送る。


「出ない?」

「うん……」

「もう少し待ってみて」


言われるままにコールを続けてみても、その音が途切れることはなく。

本多くんが電話に出ないことが、あたしたちの不安を徐々に募らせていく。