「とにかく。相沢さんは早く家に──」
「っ、それはやだよ」
思わず遮ってしまった。
「本多くんが危ない目に遭ってるんだよね? そんなの聞いたら家でもじっとしてられない、し」
「心配しなくても、本多は大丈夫だから」
あたしが介入しても意味のないことは分かってる。
関係がないくせに首を突っ込んできて、面倒な奴だと思われたかもしれない。
それでも……。
「本多くんが大丈夫だってどうしてわかるの?」
「本多は強いから」
「でも、助けてって言われたんでしょっ?」
「大丈夫」
あたしの目を真っ直ぐ見つめて、中島くんはもう一度「大丈夫」と繰り返した。
「こういうの初めてじゃないんだよ」