暗黒王子と危ない夜


「俺西高だから、西高の男になんかされそうになったら連絡して」


三成くんのことを気にする素振りもなく、中島くんは口を開いた。


「あと、なんか見られてる気がするとか、待ち伏せされてる気がするとか」


淡々と話し続ける中島くん。あたしはコクコクと頷くばかり。


「……あとさ、」

少し間が開いて、中島くんの声のトーンが急に落ちた。


「本多と急に連絡がとれなくなったりしたときは、俺のスマホに連絡ちょうだい」


ふと真顔になった彼。にこやかだった表情が初めて崩れた瞬間だった。


「うん、わかった。それであの……。本多くんと中島くんて、どんな関係なの?」

「……それに答える前に、三成って俺のこと、他になんか言ってた?」


思わぬ逆質問にきょとんとする。


「ほんとのこと言っていいから」


なんとなく、この人に嘘は通用しない気がして。


「えっと……性格悪い…って」


へえ、と相手の口角があがる。


「それはそれは。喜ばしきお言葉だ」


一瞬、皮肉かなとも思ったけど、どうやら違うらしい。


「性格悪いだの腹黒いだの。コッチの世界じゃ褒め言葉だからね」