裏門は日陰になっていて、人影もほとんどなかった。

この場所に来ると、一昨日のことを嫌な出来事を思い出してしまう。



「あと5分くらいで着くんだと」


ラインでやりとりをしているらしい三成くん。

本多くんと「ナカシマ」くんは仲が悪いとか言ってた気がするけど、三成くんとはどうなんだろう。



「ナカシマくんて、どんな人なの?」


そう聞けば、スマホから視線を上げてあたしを見る。


「んー。ひとことで言えば、性格悪いヤツだな」

「な……にそれ」


性格悪い人って。
こんなストレートな紹介の仕方をする人初めて見た。



「あー、聞き忘れたけど。お前、煙草ニガテな人?」

「え?あ、……好きじゃないけど、それほど嫌いってわけでも……」


「あそ。なら、いーんじゃね」

「いいって何が?」

「中島はヘビーだからな」


「ヘビー?」

「めっちゃ吸う」

「……へえ」


不良な三成くんと繋がりがあることを考えれば、そこまで驚きはしないものの。