校門を抜けたところで、三成くんはふと足を止めた。


「あっ、そういや思い出した」

「何を?」

「お前を中島に会わせるように頼まれてたんだった」



……ナカシマ、くん。

そういえば本多くんも言ってたっけ。
あたしに、早めに会わせておきたい人がいるって。


あの夜から頻繁に話に出てくる「ナカシマ」くんは何者なんだろう。



「会うって、どこで?」

「校門」

「えっ?」

「中島が今こっち向かってるらしい」



……そんな急な。

そう思ったけど、口には出さず。



「お前時間は大丈夫か?」

「うん、まあ……」

「よし。そんじゃあ、ここ目立つから裏門の方行っていいか?」

「わ、わかった」



振り回されるのも、だんだん慣れてきた気がする。


それにしてもなんで、あたしと「ナカシマ」くんを会わせる必要があるんだろう……。

学校も違うのに。