突然声がして声の方を見ると、廊下にクラスの男子、広大が腕を組んで壁に寄りかかっていた。 「…別に、関係ないでしょ」 泣きそうな顔を見られていたら、気まずすぎると思い、顔を背ける。 人に会ったら余計に涙が出てきそうだ。 下唇を噛んでぐっと泣くのをこらえる。 「んな顔してたら声かけないわけにもいかねえだろ」 「やっぱ、見てたんだ」 恥ずかしい、消えたい…。