「先輩…」 つぶやいた声は、ひとりぼっちの教室に白く浮かんで消えた。 渡せなかったチョコなんて持ってたって仕方ない。 捨ててしまおう。 このチョコも、先輩への想いも、全部。 教室の角のゴミ箱の前に立って、箱を捨てようとした。 やっぱり一瞬ためらったけれど、箱をゴミ箱の上に持っていく。 さようなら、私の片想い…。 「捨てんの?それ」