捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

ええ!?なにそれ!

この場では教えてくれないっていうの!?


「心の底からって、どういうことよ」

「つまり、私を好きになったときだな。好きになれば、相手をもっと知りたくなる。そのときが来たら教えてやろう」

「そんな日、来ると思ってる?」

「もちろん。でなければ、こんなに自信満々には言わないさ」


どこから来るの、その自信。

私がランスを好きになるなんて、あり得ないのに。


ランスは、困惑する私を見て満足したように、またフッと笑うと、席を立つ。


「……今日はここまでにしておこう。次は五日後だ、同じ時間にまた来る。また色々と話をしよう」

「ま、また来るのっ!?」

「当たり前だろう?私の婚約者に会いに来てなにが悪い?」


ランスは私を見下ろして言う。


婚約者だなんて、私は認めてない!

そう反論しようと、咄嗟に私も席を立った。