「ありがとう、アイリーン」
「少しは落ち着かれましたか?……一体なにがあったのです?」
アイリーンにそう聞かれたが、私は今までの出来事を頭の中で整理できず、上手く伝えられずに口篭もる。
そんな私に、アイリーンは慌てて謝った。
「あっ、も、申し訳ございません!不躾なことを聞いてしまって!私が聞くことではありませんでしたよね!」
「ううん、全然いいの。ただ私もまだ頭の中で上手く整理できていないだけだから」
「それほどまでに大変なことがあったのですか?」
「大変な、というか……。アーチャー様が私に結婚を申し込んだのは、私が好きだからなんですって。他に理由なんてないって言うのよ……。でも、おかしいと思わない?私とアーチャー様にはなんの接点もないのよ?それなのに、どうやって私を好きになれるというの?」
「好き、ですか」
アイリーンは少し考えるような仕草をして、無言になる。
そしてハッとした表情を浮かべ、こう言った。

