捕まえてごらんなさいっ！～意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦～

こうなるのをどれだけ望んだだろう。

それを手にした今、いかなることがあろうとも、決して離したりなどするものか。


アリシアは私のもの。

私はアリシアのために生きていく。


それが私の幸せ。

何物にも代えられぬ、至極のものなのだから。


私は眠るアリシアに、口づけを落とす。

触れたのに気付いたのか分からないが、唇を離すと寝ながらもアリシアは仄かに笑みを浮かべた。


……なんて可愛いんだ、私のアリシア。

たまらず彼女を引き寄せる。

寝言なのだろうか、引き寄せた瞬間にアリシアは小さく呟いた。


――ランス、愛しているわ、と。



その言葉を聞いて眠気などどこへやら、朝までアリシアを抱きしめたまま夜を明かすことになったのだった。