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ふと、目が覚めた。
辺りはまだ暗く、外の闇も深い。
どうやら昔の夢を見ていたようだ。
起きてすぐに不安に駆られたが、隣から聞こえる規則的な息遣いを感じ、その不安は杞憂に終わる。
アリシアはとても気持ちよさげに眠っていた。私に腕に自信の腕を絡ませて。
ああ、なんて幸せなのだろう。
目を開ければアリシアがいる。
隣にいなければ見ることのできない寝顔を、いつでも眺めることができるなんて、これ以上の幸福が他にあるだろうか。
彼女の嬌声を聞けるのも、私だけ。
彼女の体温を直に感じられるのも、彼女の中へ自身の痕跡を残せるのも、私だけ。
そして彼女から発せられる愛の言葉を聞けるのも、今は私だけだ。

