部屋に戻り、またいつものようになにもせず過ごす。


最初は心配して声を掛けてくれていたアイリーンも、今では気を遣ってなのか呆れてしまったのか分からないけれど、淡々と身の世話をしてくれるだけになった。


それに対しては申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。

だからいつだったか、アイリーンには『もう無理をせず、私の侍女など辞めてもいい』と言ったことがある。


でもアイリーンはそれを拒んだ。

そのときだけ、アイリーンは感情をむき出しにして、泣いて拒んだ。



私のことなんて、もうほっといてくれても良かったのに。

でもアイリーンの涙に、それ以上なにも言えなくなってしまって……。

そして今でも、こうやって変わらず世話をしてくれている。



本当は変わらなきゃいけないのに。


見捨てずに傍にいてくれる人のためにも、動き出さなきゃいけないはずなのに。