シーモアはゆっくりと寝台に横たわる私の傍へと寄ると、私をまじまじと見た。
そしてランスへと身体を向け、こう切り出した。
「ふむ。なるほどねぇ。で、このお方が噂の初恋相手だね?」
「ばっ……、シーモア!なにを唐突に言い出すんだっ!」
シーモアの発言に、ランスは慌てふためいたようにそう声を荒げた。
そんなランスを見て、シーモアは顔に細かい皺を作るほどの笑みを浮かべる。
「おやおや、そんなに取り乱していつものランスロット様らしくないね。ささ、診察の間は男子厳禁だよ、部屋から出て行っておくれ。終わり次第呼ぶからね」
「……余計なことを言ってはならんぞ」
「さあ?それはどうかねぇ」
そう言って、カカカとシーモアは笑う。
眉間に皺を寄せ、なにか言いたげなランスをカストルは引きずるようにして部屋から出て行った。
私とシーモアだけになっても、シーモアは依然肩を震わせて笑っていた。

