捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~


それからランスは首元を中心に、口づけを重ねた。

ランスの指は、私の身体の至るところを這う。


「っ、あ……」

自然と嬌声が漏れた。

息もだんだんと荒くなり、呼吸に合わせて肩が上下に動く。


そのときの私には、こそばゆいとはまた違う、なんとも言い知れない不思議な感覚が繰り返し襲っていた。

それは身体の奥底から湧き上がって、全体に大きく広がっていく。


私、どうなってしまうんだろう。

自分が自分ではなくなるような感じがして、とても怖い。

でも怖いと思っているのに、心のどこかしらではその感覚を嬉しいと思っている。


やがてある部分に差し掛かったとき、私の身体に雷が落ちたかのような衝撃に見舞われる。


「んぅ!」


私の反応にランスは執拗に攻め立てた。

なにも考えられなくなるまでに、頭が真っ白に染められていく。

そして意識も薄れていく。


目の前が霞み、ふわりと身体が軽くなるような感覚になりかけたとき、扉を叩く音で、一気に現実に押し戻された。