「しかしバレてしまったあとは散々だった。当主の座を追われ、国からも追われてな。裏で繋がっていた国へ助けてもらおうとしたが、貴族でなくなった私は価値もないんだろう、手のひらを返された。だが私にはそれまでに手にした金だけはあったから、その金を使ってそこらにいるならず者たちに匿ってもらっていたんだよ。その金も今回のことで底をついてしまったがな」
ディアスの顔から笑みが消え、徐々に歪んでいく。
「奴さえいなければ上手くいったはずなのに、奴のせいで……!それからは奴の命を奪うことだけを考えて生きてきた。ならず者に金を渡し、襲うようにも仕向けたし、不利になるよう噂だって流した。アイツさえいなくなれば、私はまた浮上できると、そう信じて!」
「奴って、まさか」
「そうだよ、アリシアの新しい婚約者のランスロットだ。アイツのせいで、私の人生は滅茶苦茶になったんだ!」
ディアスは歪んだ顔を私の顔に近付けた。
その近さに耐えられず、顔を背ける。
「まさかね、君がランスロットと婚約するとは思ってもみなかった。どこまでアイツは僕を馬鹿にするのだろうね?私が欲しいものをみんな手中に収める、あの男がとことん憎いよ。殺したいくらいに、憎い」
「そ、そんなの自業自得じゃないの!目先のものに目が眩んで手を出さなければ、こんな結果にはならなかったはずなのに!自分で危険な道を選んで失敗して、それでランスを恨むなんて、どうかしてるわ!」
「……るさい、うるさい、うるさい!!!お前になにが分かるんだ!出世も見込めないような名ばかりの伯爵位で、一生を過ごさなければならない私の惨めな気持ちが分かるか!?」
「分かるわけないでしょう!そんな気持ちなんて、分かりたくもない!!」
ディアスの顔から笑みが消え、徐々に歪んでいく。
「奴さえいなければ上手くいったはずなのに、奴のせいで……!それからは奴の命を奪うことだけを考えて生きてきた。ならず者に金を渡し、襲うようにも仕向けたし、不利になるよう噂だって流した。アイツさえいなくなれば、私はまた浮上できると、そう信じて!」
「奴って、まさか」
「そうだよ、アリシアの新しい婚約者のランスロットだ。アイツのせいで、私の人生は滅茶苦茶になったんだ!」
ディアスは歪んだ顔を私の顔に近付けた。
その近さに耐えられず、顔を背ける。
「まさかね、君がランスロットと婚約するとは思ってもみなかった。どこまでアイツは僕を馬鹿にするのだろうね?私が欲しいものをみんな手中に収める、あの男がとことん憎いよ。殺したいくらいに、憎い」
「そ、そんなの自業自得じゃないの!目先のものに目が眩んで手を出さなければ、こんな結果にはならなかったはずなのに!自分で危険な道を選んで失敗して、それでランスを恨むなんて、どうかしてるわ!」
「……るさい、うるさい、うるさい!!!お前になにが分かるんだ!出世も見込めないような名ばかりの伯爵位で、一生を過ごさなければならない私の惨めな気持ちが分かるか!?」
「分かるわけないでしょう!そんな気持ちなんて、分かりたくもない!!」

