――……ンス、ランス。


どこにいるの?


ねえ?あなたはどこに?



私、まだあなたに言えてない。

伝えなきゃいけない言葉を、ランスに言えてない。


こんなことになるなら、あのとき言えば良かった。

心の中に生まれた思いを、躊躇わずに伝えていたら良かったのよ。


……どこまで馬鹿なの、私は。

後になって気付く。

取り返しのつかないことになってから、後悔する。

私は、いつもそう。

変に意地を張って、悩んだふりをして。

ただ逃げているだけの弱虫な人間なの。


本当は嬉しかったくせに。

前から、ずっとその思いを抱いていたくせに。


これは、罰かしら。

いつまでもウジウジとして逃げていた私へ、神様の天罰?


……神様、お願い。

私、変わるから。

もう逃げたりなんてしないから。

だから、せめてあの人に伝えたい言葉を言わせて。

たった一言でいい。

それ以上はなにも求めないから。


だから、お願い。

どうか――……。