捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

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「……本当に大丈夫なのか?送っていかなくても」

馬車にひとり乗り込んだ私に、ランスは心配そうに声を掛けた。

私は問題ないと言わんばかりに微笑んで頷く。



「大丈夫よ、このまま屋敷に帰るだけなのだし。それにランスはまだお仕事があるのでしょう?無理しないで」

「しかし……」

「少しひとりで考えたいこともあるの。頭の中の整理をする時間が欲しいというか」


私の発した言葉に、ランスの表情が曇る。


「考えるって、それは」


「あ、えっと、別に悪い方向にではないわ。いい方に進んでいくための整理よ。安心してランス。あなたの気持ちは、ここに突き刺さるくらいに分かったから」



そう言って、胸元を手で押さえた。

抱えきれないほどのたくさんのランスの愛。

それは十分すぎるくらい、私の心に伝わっているから。



「……そうか。それなら、いい」

「だから二、三日だけ待ってて欲しいの。そうしたら、必ずあなたに言えると思うから」

「ああ、分かった。いくらでも待っている。今までずっと待っていたんだ、そのくらいどうってことはない」

「じゃあ」、と言って、ランスは私の頬に軽く唇を落とした。


いつもは唇を無理矢理奪うような口づけだったのに、今日は淡い初恋のような口づけ。

変に胸がときめいてしまう。


「では、また。……愛しのアリシア」

「ええ。また。お仕事、頑張ってね」