捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~



「その翌日だよ。ディアスが関わっていると聞いたのは。私は咄嗟にアリシアを守らなければと思い、聞いたその足で国王に助言したんだ。アリシアとの婚約を破棄する命を出してくれ、と。アリシアが心配だと思うと共に、これはチャンスだとも思った。婚約破棄さえできれば、今度こそアリシアに伝えられると思ったからな」



「……そう、やっぱりランスが絡んでいたのね」


ずっとおかしいと思っていた。

国王様が私のことを知っているとは思えなかったもの。


「あのときは悲しませてすまなかった。あれからずっと屋敷に篭っていると聞いて、私の心は締めつけられるように痛かった。けれど、その悲しみも私の力で喜びに変えられると自負があったんだ。どれだけ悲しくとも、私が必ず笑顔にできる、と。……その後、ディアスの捜索と他国との争いの鎮圧のために遠征をし、そしてあの日、アリシアに結婚を申し込んだ」




抱きしめていた力が弱まり、ランスは私から身体を少し離すと、じっと私を見つめた。

情熱を含んだその瞳は、私の体温を上昇させるのなど容易いものだった。

のぼせてしまいそうなくらいに、熱い。




「これだけは分かっていて欲しい。決してアリシアを守るためだけに結婚を申し込んだわけじゃない。愛しているからだ。――心から、お前のことを」



「ランス……」



「私だけ覚えているのが悔しくて、いつまでも思い出してくれないアリシアに苛立って、つい大人げない行動をしてしまったのは謝る。私らしくないと笑ってくれたって構わない。でもそれだけ、お前のことを真剣に思っているんだ。自分が自分でいられないくらいに……」