「驚かせてしまったみたいね、そんなに固くならないでアリシア。今日は急なところ来てくれて感謝するわ。分かっているでしょうけど、私はこの国の第一王女、ベルフォンヌ=バークレイよ。ベル、と呼んでくれて構わないわ」
「そ、そんな!ベルフォンヌ様、そのように呼ぶのは大変恐れ多く……!」
「いいえ、あなたにはそう呼んで貰いたいの。私、前々からあなたと親しくなりたいと思っていたのだから。それに今後のためにも」
ニコニコとしながらそう言われるが、だからと言ってすんなりと呼べるだけの勇気はなく、頷くだけに留まる。
しかし、最後のひと言が気になった。
今後のために、とは一体どういうことなのだろう。
「ありがとう、アリシア。とても嬉しいわ。それでね、早速本題に移ろうと思うのだけれどいいかしら?」
「は、はい。なんなりと……」
「今回あなたに来てもらったのは、私たちに纏わる噂のことについて。アリシアは夜会に参加していないでしょうから詳しくは把握していないでしょうけど、相当な尾ひれをついて広まっているわ。今やあなたは"サキュバス"であると揶揄されるまでになっている。これは忌々しき事態だわ」
「サキュバス……!?」
「そ、そんな!ベルフォンヌ様、そのように呼ぶのは大変恐れ多く……!」
「いいえ、あなたにはそう呼んで貰いたいの。私、前々からあなたと親しくなりたいと思っていたのだから。それに今後のためにも」
ニコニコとしながらそう言われるが、だからと言ってすんなりと呼べるだけの勇気はなく、頷くだけに留まる。
しかし、最後のひと言が気になった。
今後のために、とは一体どういうことなのだろう。
「ありがとう、アリシア。とても嬉しいわ。それでね、早速本題に移ろうと思うのだけれどいいかしら?」
「は、はい。なんなりと……」
「今回あなたに来てもらったのは、私たちに纏わる噂のことについて。アリシアは夜会に参加していないでしょうから詳しくは把握していないでしょうけど、相当な尾ひれをついて広まっているわ。今やあなたは"サキュバス"であると揶揄されるまでになっている。これは忌々しき事態だわ」
「サキュバス……!?」