ランスは徐々に私へと近付く。
私は威圧に耐えられず後ずさり、そして私を壁際まで追い込んだ。
ランスは逃げられないように私を覆うようにして、両手を壁にあてる。
そして耳元で、こう囁いた。
「なんならこの場で既成事実を作ったっていい」
「き、既成じ、じつ?」
「このままお前を抱く、という意味だ。お前の純潔を私が奪えば、嫌がおうにも私と結婚しなければなくなるだろう?そうなれば噂なんてどうでも良くなるぞ?」
妖艶な笑みを浮かべるランスに、身体中が粟立つ。
それだけは絶対に駄目だと、私は必死に頭を左右に振った。
そんな私を見て、ランスはフッと鼻を鳴らす。
「……なら、もうそんなに気を病むんじゃない」
ランスの両手が壁から離れる。
ようやくランスの威圧から解き放たれて、身体から力が抜けそうになった。
ランスはおもむろに軍服の内ポケットをごそごそと手探る。
そして、白い紙のようなものを取り出すと、私の前に差し出した。

