***
「ああ、その噂ならとうに知っている。しかし、噂はあくまで噂だ、決して真実ではない。アリシアが気にする必要などない」
二日後、ランスが屋敷へ訪れる。
会うなり私は、ランスに対し単刀直入に「ベルフォンヌ様の噂が流れている。私との結婚の話はなしにしましょう」と話を切り出した。
ランスが来るまでの間、意地でも会わないとか姿をくらますだとか案を練ってはみたものの、相手は頭の切れる騎士団長様である。
回りくどいことをしても、結果は見えていた。
色々考えた結論としては、面と向かってハッキリと伝えるのが一番いいのだろうとの答えに達し、そう告げたわけだけれど……。
返された言葉は、私の欲しいものではなかった。
しかもランスは顔色を一切変えずに答えた。
彼の中では、さほど重要な問題ではなかったらしい。
しかし、私としてはネリベル家の存続がかかっている。
そう答えたからと言って、「はい、そうですか」とすんなり納得できるものではない。
「ああ、その噂ならとうに知っている。しかし、噂はあくまで噂だ、決して真実ではない。アリシアが気にする必要などない」
二日後、ランスが屋敷へ訪れる。
会うなり私は、ランスに対し単刀直入に「ベルフォンヌ様の噂が流れている。私との結婚の話はなしにしましょう」と話を切り出した。
ランスが来るまでの間、意地でも会わないとか姿をくらますだとか案を練ってはみたものの、相手は頭の切れる騎士団長様である。
回りくどいことをしても、結果は見えていた。
色々考えた結論としては、面と向かってハッキリと伝えるのが一番いいのだろうとの答えに達し、そう告げたわけだけれど……。
返された言葉は、私の欲しいものではなかった。
しかもランスは顔色を一切変えずに答えた。
彼の中では、さほど重要な問題ではなかったらしい。
しかし、私としてはネリベル家の存続がかかっている。
そう答えたからと言って、「はい、そうですか」とすんなり納得できるものではない。

