ベルフォンヌ様は、第一王女という肩書なだけあり、容姿端麗、頭の切れる才女。

同盟国との橋渡し役として、多くの功績を残していると聞く。


纏うオーラは、人が気安く近づけないほどに高貴なもの。

しかし人々に対して投げかける笑顔はとても美しく、国民からの人気も高い。


いち伯爵令嬢の私は話すことはもちろん、群衆に紛れてベルフォンヌ様を遠巻きで見るのがやっとなほどのお人だ。



ランスは騎士団長でもあるし、大きな催しではベルフォンヌ様の警護を担当している。

ベルフォンヌ様とはそれなりに気心知れた仲なのだろう。


……それに、あれだけの美貌を持ったランスであれば、ベルフォンヌ様の隣に立っても見劣りはしない。

だれが見てもお似合いのふたり。

私なんかよりも、もっと。



なぜか胸がチクリと痛む。

そんなこと、前々から分かっていたのに。