嘘つき!嘘つき!!

ランスの嘘つき!!

そう叫んでしまいそうになったが、すぐに規則正しい寝息が頭の上から聞こえる。


顔だけ上げると、ランスはすでに意識を手放していた。

とても安心しきったような、仄かに幼さを含んだ寝顔。


そんな寝顔を見てしまったら、私の乱れた感情も落ち着きを取り戻す。


こんなに早く寝てしまうなんて。

それだけランスは疲れていたってことよね……。


これだけ気持ちよく寝られてしまったら、無理矢理離れるわけにもいかない。

仕方なく私はそのままでいることにした。


次第に私にも睡魔はやって来る。

やがて私もそのまま意識を手放した。



――その夜は、とてもいい夢を見た。


内容はよく覚えていない。

けれど、心がほわりと温かくなるような、そんな幸せな夢だった。