捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~


食堂の中にある奥の扉を開けると、小さな厨房が現れる。

中に入るなりランスは戸棚を順序に開けていき、食べられそうな食材を取り出して、テーブルに置いていった。

粉の入った袋、乾燥した肉、根菜、そして調味料。

全ての食材を並べると、ランスは早速調理に取り掛かった。


「悪い、鍋に水を張ってくれないか?そのくらいはできるだろう」

「鍋はどこにあるの?」

「下の引き戸に入っている」


言われた通りのところを開けると、底の深い鍋がありそれを取り出して、厨房内にある井戸のハンドルを手で漕いで、水をくべた。

「できたわ」

「じゃあ火にかけるからあそこに」


私が水を鍋に入れている間にも、ランスはテキパキと進めていた。

無駄のない動きは、じっと見ていても飽きない。


……凄い。

男の人なのになんでもできるなんて。


しばしその行動に見入ってしまった。