その言葉が真意のものか、判断に困る。
ただ、二人だけの時間を過ごしたい、そう言われたとき、私の心はまた妙な動きを見せた。
「……どうだか」
私を真っ直ぐに射抜く瞳に居心地の悪さを感じ、逸らしながらそう呟いた。
「私はアリシアと共にいられる時間が長くなってとても嬉しく思うよ。アリシアもいずれはそう思えるときが来ることを望む」
そんなときが来ることはないと、言えたなら良かった。
なのにこんなときに限って喉が乾いて、その言葉を発することができずに無言になる。
ランスはその間をどう感じたのだろう。
少し表情が穏やかに見えたのは、気のせいか。
「とりあえず腹ごしらえでもしようか。一緒に食堂へ来てくれるか?少し手伝って欲しい」
「食べるもの、あるの?」
「保存できるものが幾ばくかあるはずだ。遠征中に作るようなものしか作れないから見た目は悪いが味は保証する。安心しろ」
「え?ランスが作るの?」
「当たり前だ、他に誰が作れる?戦地では出来る限りのことを自分たちでやらなければ、生き残ってはいけない」
ランスは上着を脱ぎ、シャツの袖を少し捲ると、部屋を出ていく。
私は慌てて後を追って、食堂までついて行った。

