捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~


抵抗する間もなく、私の唇は塞がれた。

「……んうっ」

自然と甘い声が漏れた。


今までとは違う、優しくも熱を帯びた口づけ。

徐々にそれは深く、濃くなっていく。

交わる吐息を感じて、ランスはさらに激しく私の唇を貪った。


身体に力が入らず、自身を支えられなくなった私を、ランスは片手でしっかりと支えている。

一方の右手は唇からゆっくりと下りていき、胸元の部分に差し掛かった。


その瞬間、私の身体がビクリと跳ねる。



そのときようやく唇が離れた。

とても名残惜しそうに、ゆっくりと。


「綺麗だ、アリシア。その表情はもう誰にも見せられない」

「っあ……」

その言葉は私を痺れさせる。


一体どんな表情をしているのだろう。

恥ずかしくて鏡で見る勇気も出ない。


「このくらいにしておこう。これ以上は私自身が抑えられなくなる」


ランスは私を横抱きで、寝台へと連れて行き、横たわらせた。

そしてそのまま、部屋を後にした。