捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

――その台詞にドクリ、と心臓が大きく鳴った。

「……あ」

「なんて可愛いんだ、私のアリシア」


ランスの右手が私の顔をなぞり、そして唇へと下りる。

そしてランスの顔が私の視界に入るように、顎が軽く引き上げられた。


左手は私を逃がさまいと、しっかりと私の背中に回されていた。



離れなきゃと思っていても、力が抜けて身体が動かない。

ランスの腕に抱かれ、ランスの体温を嫌というほど感じて、頭の中が真っ白になりそう。



――雷光が、ランスの顔を照らす。


私を情熱的に見つめる瞳が、その光でより潤んで私の瞳に映り、顔を逸らせなくなる。



「……お前の全てを、早く私のものにしたい」

「駄目よ、そんな……」

「言葉とは裏腹な顔をしているぞ、アリシア。その表情は私を煽っているようにしか見えない」