捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~


「適当に座って楽にしていてくれ」

「え、ええ。ありがとう」


外は先程に比べてより雨足が強くなり、雷も鳴り始めていた。

時折大きな雷光が部屋の中を明るく照らし、そのたびに身体を小さく跳ねさせる。

そんな私を見て、ランスは少し意地悪そうな笑みを零す。


「雷が怖いのか?」

「そ、そんな!別に怖くなんか!」


そう強がって見たものの、突然眩い光と共に地響きをたて雷鳴が鳴り響く。

「きゃっ!!」

思わずその場で耳元を押さえて縮こまる。

その瞬間、私の身体がランスに包まれた。


「……やっぱり怖いんじゃないか」

「ちょ、ちょっとランスっ!」


慌てて離れようとするも、私を包むランスの腕は力強く逃げることができない。



「まったくどうしてお前はそんなに強がりなんだ。こんなときは甘えていいんだぞ?大丈夫だ、私が傍にいる、そのために私が隣にいるのだから」