――ポツリ。
ランスの手に乗せていた自身の手に、冷たい滴が落ちる。
「……雨だ」
ランスは私から目線を外し、見上げた。
いつしか辺りは薄暗くなって、その雨足はどんどんと強くなっていく。
思わず頭を手で覆う。
「アリシア、屋敷へ入ろう。このままでは雨に濡れて風邪を引いてしまう」
グッと頭の上に置いた右手を握られ、そのまま引っ張られるように屋敷の入り口へと向かった。
胸元のポケットから鍵を取り出し、扉を開ける。
私を先に屋敷の中に入れ、そしてランスはまた中から鍵を閉めた。
屋敷の中は見えないようにカーテンがしてあり、外よりもさらに薄暗く、あまりよく見えない。
しかし人があまり立ち入らない屋敷でも、定期的に手入れはされているのか、暗くてもかびたような臭いは一切しなかった。
「危ないから少しそこで待っていてくれ。今明かりを用意する」
ランスはそう言うと、ひとり屋敷の奥へと消えた。
ランスの手に乗せていた自身の手に、冷たい滴が落ちる。
「……雨だ」
ランスは私から目線を外し、見上げた。
いつしか辺りは薄暗くなって、その雨足はどんどんと強くなっていく。
思わず頭を手で覆う。
「アリシア、屋敷へ入ろう。このままでは雨に濡れて風邪を引いてしまう」
グッと頭の上に置いた右手を握られ、そのまま引っ張られるように屋敷の入り口へと向かった。
胸元のポケットから鍵を取り出し、扉を開ける。
私を先に屋敷の中に入れ、そしてランスはまた中から鍵を閉めた。
屋敷の中は見えないようにカーテンがしてあり、外よりもさらに薄暗く、あまりよく見えない。
しかし人があまり立ち入らない屋敷でも、定期的に手入れはされているのか、暗くてもかびたような臭いは一切しなかった。
「危ないから少しそこで待っていてくれ。今明かりを用意する」
ランスはそう言うと、ひとり屋敷の奥へと消えた。

