「……っ!」

目の前に広がる光景に目を見張る。

華麗に長剣を振りかざし、向かう敵に恐れることなく立ち向かう。

まるでダンスを踊るような軽やかな身のこなし。


ランスひとりに対して相手はやはり三人。

しかし敵たちの攻撃を余裕で交わしていく。


凄い……!

これが、"騎士団長ランスロット・アーチャー"本来の姿だというの……!?


声には出せなかったが、心の中で呟いた。

その時にはもう、恐怖という言葉は私の中から消えていた。


国一番の剣術を持つという、ランス。

数々の戦場で彼の前で刃を向け、生き残った人間は誰ひとりとしていないという。


その話は本当だった。

何人立ち向かおうとも、彼に傷ひとつ付けられやしない。