「もう、茶化さないでよ。真剣な話、してるんだから…」 「俺も真剣ですって。だって…甲斐さんと先輩が付き合う前から、先輩の事好きなんですもん」 だけど、言葉とは裏腹に、にこりと微笑む彼の後ろ側に…膝を抱えて泣いている子供のような、そんな影を見たような気がした。 本当はね? 気付いているの。 貴方がどれだけの傷を隠して、私の前にいるのかを…。 ごめん、ね。 だから、お互いの心が悲鳴を上げる前に…。