【完】好きだという言葉の果てに


熱の篭ったキスをする度に上昇していく温度。
それが、偶に危険信号を知らせるけれど…。

「ねぇ?佳人くん?」

「もう、騙されませんよ?」

「そう、じゃなくて…あの、さ…」

「今度はどんな我がままですか?あやめさんの我ままは可愛い事が多いから、なんだか楽しみだなぁ」

「や、あのさ…その」

急にもじもじとし始まる彼女。
なんだろうと、耳を傾けるも、

「やっぱり、いい!また後で言うから!」

と、はぐらかされてしまった。

それは、ここの所何回か見られる光景で、その様子に、色々考えてみるけれど…理由に思い当たる節が全然ない。


一度つぐんだ言葉は、そうそう簡単には出て来ない。
なかなか取り戻す事は出来ない。
それは、彼女が一番分かっているはず。
でもきっと、今はそういう問題じゃないんだと思うから。
俺は、分かりましたよ、とそれだけ言って微笑んだ。