掠め取るようなキス。
絡まる視線。
甘い溜息。
涙を辿る指先。
全てが、こんなにもこんなにも心に愛しさを響き渡すなんて知らなかった。
これが、本当に人を好きになるってことなんだと、今更ながらにそう思った…。
「ね?あやめさん?今度、ドライブに一緒に行きませんか?来年…って言っても、もうあと数時間ですけど…」
「…え?佳人くんて免許持ってるんだ?」
「えぇ。車は流石に親の物ですけど。こう見えても、週3くらいは運転してるんで、安心してください」
「うん。佳人くんの事だもん。大丈夫。安心してます」
「…やっと笑ってくれた」



