【完】好きだという言葉の果てに


「あやめさん?」

「佳人くん…あのね?私、謝らなきゃいけない事があるの…」

「…なんです?」

「まず、佳人くんを利用しようとしてた事。そして、佳人くんに甲斐くんを比べていた事…それから…」


ぺこり、と頭を下げながら言葉を紡ぐ私に、そっと彼の手が触れる。


「大丈夫。俺、全部知ってましたから。でも、あやめさんが好きだって事、変わらなかった…だから、いいんです」

その言葉に、顔をそろりと上げると、はにかんだような笑顔がそこにはあって。

「あやめさんから、いつか『好き』って言って貰える男になろう…そう思ってました。…それ、叶ったと思ってもいいですか?」

「~…っ佳人くんっ…」