【完】好きだという言葉の果てに


自分からしてしまったキスにカァーっと赤くなってそう小さく呟くと、同じく赤くなった彼が…。

「連絡してくれたら、何時でも、飛んでいくのに…」

と、また口説き文句みたいな事を言うから、「ばか…」と囁いてから軽いキスを落とした。


「…出掛ける前に、"行ってらっしゃい"のチューは、夢でしたけど…なんか、コレって"行って来ます"と"ただいま"両方な気がしません?」


キスの余韻に浸っていた私は、彼がそんな事を言うまで、胸に耳を当てて、彼の心臓の音を聞いていた。
とくんとくん…心地いい音色に、瞳が閉じそうになる。

「…ぷ…なにそれ?ダブル攻撃って事?」

「や、なんか、そういうのっていいなーなんて…」

まだふわふわしている頭の中で、その言葉を反芻させて、意味を考える。
そして、ある事に辿り着いて私は、がばっと彼の体から顔を上げた。