ぴんぽん
メールから、きっちり30分。
その正確さが、彼のとても良い所だと思う。
私はドアフォンから彼を確認して、ちょっと顔が緩む。
だって、彼は何時もとは違い、厚手の白いパーカーにジーンズというかなりラフな格好で現れたから。
いつもとのギャップに、ドキドキが止まらない。
「い、いらっしゃい…」
赤くなった顔を見られたくなくて俯きながら、そう言うと、
「あれ?もしかして、迷惑でしたか?俺…?」
____空気読めなくてすみません…。
そう、頭を掻く彼が愛し過ぎて、思わずぐっと引っ張り彼をドアの内側に招き入れる。
「え?ちょ…って…あや…っ」
「…佳人くんが、悪いよ。こんな格好良くて、嬉しい事してくれちゃうから!」



