【完】好きだという言葉の果てに


そんな事を思いながら、彼女の体を抱き締めてたら、突然教室のドアが開かれた。


ガララッ


「よう。采明…と、一年。なんか隠れていちゃいちゃしてくれてんじゃん。それ、オレへのあてつけなわけ?」

「甲斐くん…」

「海野、だっけか…お前、ほんと目障りなんだよ。オレと采明の間であれこれ動き回りやがって。マジうぜぇ」

「…もう、甲斐さんはあやめさんととっくに別れてるじゃないですか。そっちこそ関係ないでしょう?」


人聞きの悪いと、半分呆れ顔でそう言うと、がつん!と近くにあった机を蹴り、甲斐さんが近寄ってくる。
俺は、咄嗟に彼女を後ろに隠し、庇った。
彼女はガクガクと震えている。