「はい席についてくださいね~」

タイミングよくやって来た先生に急いで席につく生徒たち。

ふと、両隣の席が空いていることに気づく。さっきまでいたのに、どこ行っちゃったんだろう。

季龍さんはとにかく、高崎さんまでいないとは…。少し呆れていると、先生も不思議そうな顔をしながらも、時間を無駄にすることなく先を進める。

「文化祭の出し物と役割まで決めれたら決めてください。あとは学級委員にお願いするわ」

簡単な言葉で主導権は学級委員へ移る。

とりあえず話し合いしてと5分くらい時間が取られた後、次々に意見が上がる。

「お化け屋敷やろうぜ!」

「喫茶店やろうよ~」

「楽なやつー」

「浴衣着たーい!」

まとまりがないとはこのことか。次々に出される案に学級委員も苦笑いだ。

ある程度決まったところで多数決が取られる。

もちろん選んだのは準備が楽そうな展示系。こんなことに時間割いてたら夕食の準備出来ないもんね。

だが、その期待は見事崩され、喫茶店で終結してしまった。