私の目線に気づいたらしい瀧川さんが、困ったように笑う。


「すみません。一緒にいただいた方が美味しいかなと思ったものですから」

「……いえ。ありがとうございます、お待たせしちゃってすみません」

「いいえ」


いただきますをして、さ、いただきましょう！　と私から率先して食べた。焼きたてが美味しいのは、お互い分かっている。


一緒にいただきたいなと思って、ではないのだから、瀧川さんはやっぱり待っていてくれたのだ。

これ以上お待たせしたくない。


私のいただきますに続いて、瀧川さんももう一度おどけるようにいただきますを言って、ゆっくり食べ始めてくれた。


「休日にお会いするなんて珍しいですね」

「お互いに結構お休みが重なっているはずなのに、あんまり休日にはお会いしたことないですよね」


私は基本、定休日の水曜日と、予定が入りやすい土曜日をお休みにしている。瀧川さんは土日がお休みだったはず。


だから土曜日なら会える確率が高いはずなんだけれど、私が用事が入ってしまったり、時間が合わなかったり、瀧川さんもお忙しかったりして、意外となかなか会えない。


お休みの日に会うのは、ほとんど二ヶ月ぶりじゃないかなあ。