小倉ひとつ。

「そういうところ?」

「一緒にいてすごく楽しくて幸せで、可愛いなって思うんだけど、それだけじゃなくて、すごいなって尊敬したり背筋を伸ばしたりしてくれることがたくさんあるところ」


敬意と好意は切り離せない。私にはなおさら。


おんなじだ、と思った。


内面を好きになってもらえるのは、好きな人と好きなところが重なるのは、なんてしあわせなことなんだろう。


「そんな、そんなの、私だってそうだよ」


ずっとずっとそう。


せめて要さんに誇れる私でいたかった。あなたがくれた言葉が、いつも背筋を伸ばしてくれた。


要さんは長い間、私の見本で尊敬する人で、要さんが褒めてくれたところは全部私の誇りだった。


「でも、これから先、もし私の好きになったところが全部変わっても、要さんを好きでいられると思う。好きでいたいと思う」


だって、きっと要さんの素敵で尊敬できるところなんて、好きな理由なんて、いくらでも新しく見つけられる。


私はその度に、きっとまた恋を更新する。