小倉ひとつ。

「要さん、おはよう」

「おはよう、かおり」

「じゃあ、玄関で待ち合わせね」

「うん」


早めに起きたのでたっぷり時間がある。


ゆっくり準備して三回も確認したものの、あんまり楽しみすぎて早く準備が終わって。

十五分も前に玄関に向かったのに、要さんがすでに玄関で待っていたものだから、二人で顔を見合わせて笑ってしまった。


「お待たせしました」

「いいえ。じゃあ、行こっか」

「うん!」


楽しみだねえ、とお互い言い合いながら、玄関の鍵を閉めた。