小倉ひとつ。

「……その、要さんがかっこよすぎて、全然正面向けませんでした」

「え」


なんとか絞り出した本心兼言い訳に、焦ったような顔をしていた要さんが、ごほ、と小さくむせた。ごほごほ、こほ。


「ごめんなさい。全然かわしてないです好きです、でもちょっとこうあんまりかっこよくて照れくさくてですね、耐えられなくなったら横向いても許してほしいなあなんて。ごめんなさい」

「え、いや、えっ……!?」


ごほごほしている要さんに追加する。


どんな顔したらいいんだろう、と書いてあった。うん。ごめんなさい。


「あとね、……お願いだから笑わないで聞いてね」

「う、うん。笑わない。なに?」


ああ、なに、が優しい。そういうところも好き。


「あのね。あの、その」


コースだから元々結構ゆっくりできるけれど、腰が思いきり砕けたので、真剣にしばらく立ち上がれそうにない。とは言えないけれど。


「そんな体たらくで申し訳ないのですけれども、たくさんお話したいなあとは思っているので、よかったら……お料理、できるだけゆっくりいただきたい、です」


つけ足したです、をさらうみたいに。


「……またそういうことを言う」