小倉ひとつ。

お肉料理もお魚料理も三種類のうち一種類を選べる。


瀧川さんは何にするのかお聞きしたら、一番綺麗に食べやすそうなものだったので、やっぱり追随しておいた。


「お好きなものでいいんですよ。ご遠慮なさらず」

「いえ、私もそちらが好きなんです。大丈夫です、ありがとうございます」


いや本当に好きなものなんだけれど、すみません、実を言うと難しいカタカナの羅列が噛みそうで言えません。

あとお恥ずかしながら、難しい名前は何がなんだかよく分かりません……!


とりあえずお肉はミディアムでお願いしよう。瀧川さんはミディアムレアにするらしい。


どんな感じかなあと思って、以前いろいろなお店で注文をバラバラにしてみて、お肉の焼き具合を一通り試したことがある。


基本的にどのお店でも私にとってウェルダンはちょっと固かったし、レアは予想より生でもっと焼けてた方が好きだなという結論に達したしで、それからはいつもミディアムにしている。


「飲み物は何になさいます?」

「ええと、そうですね……」


どうしようかなあとソフトドリンクのページを行ったり来たりしていたら、おや、と瞬きされた。


「祝杯はあげないんですか? ごちそうしたいと思ってたんですが」


ディナーだからだろう。お酒の種類が豊富なメニューをめくりながらにっこり微笑まれた。


「アルコールは苦手ですか」

「いえ、そんなことは」


お酒は苦手ではない。むしろ美味しいと思う。


酒豪と言うほどでもないけれど、付属の三ドリンクくらいなら問題ない。……普段は。