私と同じ、いつも通りのメニューを注文した瀧川さんが、私の残り少ないお皿に視線を落とした。


「よかったらごちそうするので、お時間あったらもう一杯いかがですか」

「喜んで」


お話できるなら、もちろん頷く以外に選択肢がない。


カフェ・オ・レ ボウルだけで粘るのはちょっと申し訳ないので、かなりお腹がいっぱいになってしまうけれど、何か小さいデザートをつけ足そう。


今日のデザートはアップルパイと美しいガトーショコラ。どっちにしようかな。


メニューをめくりめくり悩んでいたら、「半分差し上げましょうか」とありがたいご提案をいただいた。


「ありがとうございます、私も半分差し上げますね」


半分こならと、少しだけお高い方のガトーショコラを追加で注文した。

カフェ・オ・レ ボウルはごちそうしていただくんだもん、デザートくらいはね。


追加ぶんは届いてすぐにそれぞれさくっと半分に分け——瀧川さんはどうやったのか、フォークで崩さず綺麗にパイを半分こにした。


丸いパイのどう見ても真ん中をうまく切っている。すごい。重ねたらぴったり重なりそう。


対して私は、生来の不器用さも相まって大きさに若干違いが出てしまったので、大きい方を瀧川さんのお皿に寄せておいた。

……不器用ですみません。