小倉ひとつ。

「お茶はこちらで点てていただくこともできますし、向こうで点てていただいて、お菓子の後に持ってきていただくこともできますが、どちらがよろしいですか?」

「そうですね、立花さんはどちらがよろしいですか?」


まず真っ先に私の要望を聞いてくれた瀧川さんに、にっこり笑って「ありがとうございます」と返す。


「私はどちらでも構いませんので、瀧川さんのお好きな方になさってください」


ありがとうございます、と受けた瀧川さんは、考えあぐねて視線を揺らし、ゆっくりこちらを向いた。


「こちらで点てていただくとなると、準備していただくことになるわけですし、時間がかかりますよね?」

「そうですね、釜などの準備がありますので。お道具を持ってきていただいて、それからお湯を沸かしたりお茶を振るったりしていただくとなると、のんびりお待ちすることになりますね」


お願いするメニューが決まっている場合はもちろん事前に準備をしてくださるので早いんだけれど、今回は席の予約だけお願いしたので、まだ何も準備されていないはず。

結構待ち時間が長くなると思われた。


本来はある程度準備ができてからお部屋にご案内いただくので、お待ちする間は私語を慎みつつゆっくり過ごす時間になる。


今回はまさか一旦席を外すように言われはしないと思うから、準備の間多分ずっとお座敷で待っていることになるんじゃないかな。