小倉ひとつ。

「予約はひとまず席だけお願いしていたんですが、どうしましょうか。お茶だけと、お茶とお菓子でしたらどちらがよろしいですか?」

「お菓子もいただきたいです」

「よかった。私もそう思ってました」


隣に座ってメニューを開くと、「俺が持ちますよ」と瀧川さんが代わってくれた。お礼を言いつつ一緒に手元を覗き込む。


最初は抹茶で、お濃とお薄があり、抹茶の名前が並んでいる。


抹茶は本当に優美な名前が多いんだけれど、そのぶん名前を見ても違いが分かりにくい。

白とか青とか昔とかが多いから、結構似てるんだよね。


「お茶もいろいろあるんですね。立花さんのおすすめは何かおありですか?」

「この上から二番目が美味しくておすすめです」


一番上のものはほんの少し苦いので、いつも二番目を頼む。


お菓子は干菓子と生菓子があるけれど、瀧川さんはあんこがお好きだから、多分今回は生菓子だと思う。


私は上生菓子に合わせるなら薄茶がいいし、薄茶は苦くない方がいいし。


瀧川さんもお薄がお好きだから、おすすめするならこれ一択だ。


「ではそちらにします」

「私もそちらにします」


はい、と頷いた瀧川さんが、声をかける前にページをめくってくれた。