鞄を閉めながらぐるぐる考える私に、「立花さん、お時間は大丈夫ですか」と声がかかった。
「お時間さえよろしければ、少し話し相手になってくださいませんか」
「……ええ、是非」
多分瀧川さんにとっては、食べてからすぐに動くのは大変だろうな、お腹が落ち着くまでは話をした方がいいだろうという、ただの気遣い。
でも私にとっては、願ってもないお誘いだ。
立花さんさえよろしければ、じゃなくて、お時間さえよろしければ、にしてくれたのは、その気遣いゆえだろう。少しでも断りやすいようにっていう。
「そちらの椅子は少し固いので、よろしければソファーにどうぞ。あまり長時間座っていると疲れるでしょう」
「え」
取り繕う間もなく声がもれた。
だってソファーって当然だけれど目の前のこのソファーひとつしかないし、瀧川さんが椅子に座ってるのに私だけソファーってなんか嫌だし、でもソファーでお隣というか少し距離を開けて座るというかも絶対緊張する。
スプリングに合わせて座るはずだから、ソファーの横幅を三等分しているスプリングでは、お隣に座っても距離があくほどそんなに幅がない。
端と端に座ったら変だと思うし……。
固まったのを、瀧川さんだけ椅子に座らせるなんてという意味の遠慮と取ったらしい。
「お嫌でなければ私もそちらに行きますよ。もちろん私は椅子でも構いません」
ですからどうぞ遠慮なさらず、と言われたけれど、いやあの大変ありがたいんですけれど、お隣なんて耐えられるだろうか。大丈夫かな。
「お時間さえよろしければ、少し話し相手になってくださいませんか」
「……ええ、是非」
多分瀧川さんにとっては、食べてからすぐに動くのは大変だろうな、お腹が落ち着くまでは話をした方がいいだろうという、ただの気遣い。
でも私にとっては、願ってもないお誘いだ。
立花さんさえよろしければ、じゃなくて、お時間さえよろしければ、にしてくれたのは、その気遣いゆえだろう。少しでも断りやすいようにっていう。
「そちらの椅子は少し固いので、よろしければソファーにどうぞ。あまり長時間座っていると疲れるでしょう」
「え」
取り繕う間もなく声がもれた。
だってソファーって当然だけれど目の前のこのソファーひとつしかないし、瀧川さんが椅子に座ってるのに私だけソファーってなんか嫌だし、でもソファーでお隣というか少し距離を開けて座るというかも絶対緊張する。
スプリングに合わせて座るはずだから、ソファーの横幅を三等分しているスプリングでは、お隣に座っても距離があくほどそんなに幅がない。
端と端に座ったら変だと思うし……。
固まったのを、瀧川さんだけ椅子に座らせるなんてという意味の遠慮と取ったらしい。
「お嫌でなければ私もそちらに行きますよ。もちろん私は椅子でも構いません」
ですからどうぞ遠慮なさらず、と言われたけれど、いやあの大変ありがたいんですけれど、お隣なんて耐えられるだろうか。大丈夫かな。


