「お名前の由来が花のかおりとか春のかおりとかって意味だとすると、春の訪れ、みたいな意味にも取れるかなと。春の訪れは個人的に四月初めでして」
「その通りです、すごい……!」
すごい。完璧だ。
生まれたのが梅のいい香りがする季節だったからかおりらしい。
私、前に名前の由来をお話したことがあったんじゃないかなと思うほど完璧すぎる答え。
でも多分お話したことはない。すごい。
「私も春の訪れは早い時期なイメージがありますね。多分、三月にはもうすでに、春の訪れが感じられるよき日、みたいに挨拶するのを聞いたことがあるからだと思うんですが」
三月で訪れが感じられる(でも実際は結構まだ寒いし、あんまり草花も見当たらないし、雪解けも遅い)なら、四月初めには確実に訪れてるでしょという、安直な考え。
あれって時候の挨拶の一種なのかな。定番なのは間違いない。
「私もそれですね、多分。卒業式によくそんな感じの送辞と答辞ありますよね?」
「そうですそうです、卒業式のイメージだと思います。というわけで、私の誕生日は四月五日です」
何がというわけなんだか、全くもってさっぱり不明な繋ぎ方をすると、瀧川さんが「覚えておきます」とおどけて笑った。
「その通りです、すごい……!」
すごい。完璧だ。
生まれたのが梅のいい香りがする季節だったからかおりらしい。
私、前に名前の由来をお話したことがあったんじゃないかなと思うほど完璧すぎる答え。
でも多分お話したことはない。すごい。
「私も春の訪れは早い時期なイメージがありますね。多分、三月にはもうすでに、春の訪れが感じられるよき日、みたいに挨拶するのを聞いたことがあるからだと思うんですが」
三月で訪れが感じられる(でも実際は結構まだ寒いし、あんまり草花も見当たらないし、雪解けも遅い)なら、四月初めには確実に訪れてるでしょという、安直な考え。
あれって時候の挨拶の一種なのかな。定番なのは間違いない。
「私もそれですね、多分。卒業式によくそんな感じの送辞と答辞ありますよね?」
「そうですそうです、卒業式のイメージだと思います。というわけで、私の誕生日は四月五日です」
何がというわけなんだか、全くもってさっぱり不明な繋ぎ方をすると、瀧川さんが「覚えておきます」とおどけて笑った。


